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仏教実践の研究と資料

はじめの一冊を選ぶ①これから始めたい人が読みやすい三冊の紹介

わたしが現在所持しているガイドブックを並べてみたのですが、

初心者にオススメできるものが意外と少ないことに気づきました。

なので最近出た書籍も加えて、これからヴィパッサナーあるいは

マインドフルネスを学ぼうとする人のための「最初の一冊」を紹介

したいと思います。

 

全部で3冊紹介したいと思うのですが、まずこの3冊を選んだ理由を

並べてみたいと思います。

①情報量(仏教用語や周辺知識)が多すぎず初心者でも消化できる。

②実践の説明が具体的である。

中でも個人的に①が非常に大事だと思っています。

仏教的な用語や定義は大事ですが、それらがあまりに

多く用いられていると初心者が理解するのに非常に時間がかかります。

内容を読むのに疲れてしまって、実践が後回しになってしまっては

元も子もありません。

②については、はじめて実践する上で、すすめていく様子を具体的に

イメージできるような記述があるのは、非常にありがたいものです。

以上の観点から三つの著作を選びました。

 

熊野宏昭『実践!マインドフルネス』

アルボムッレ・スマナサーラ『自分を変える気づきの瞑想法』

バンテ・H・グナラタナ『マインドフルネス』

 

下の二つはヴィパッサナー実践のガイドとして定番のものだと

思いますが、一番目に挙げているのはセラピーとしてマインドフルネスを

取り入れている熊野宏昭教授の著作です。

なぜこの方の著作テーラワーダ僧侶二人の著作と並べたかというと、

基本的に熊野教授のマインドフルネスのインストラクションが、スマナサーラ長老や

地橋秀雄師が指導する「マハーシ式」のヴィパッサナーの方法論に

準拠しているからです。

(著書の中でも、スマナサーラ長老の名前は度々出てきます)

著者の熊野宏昭教授は医師であり、ACT(アクセプタンス&コミットメントセラピー)

などのマインドフルネスの要素と取り入れた認知行動療法の専門家でもあるのですが

著書でも触れられている通り仏教にも非常に造詣の深い方です。

(『サンガジャパン』でプラユキ・ナラティポー師とも対談しています)

 

この著書は実際にワークショップで行われた内容を再構成したもので、

非常にコンパクトにまとまっています。途中のACTの説明はやや難解ですが

初心者が実践するのに向いていると判断し選択しました。

 

次回はこの著作の内容を紹介してみたいと思います。