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人間をやめる 

仏教実践の研究と資料

はじめの一冊を選ぶ②『実践!マインドフルネス』上

✳︎書いたら長くなってしまったために、三回に分けてい掲載します。

 

今回は最近刊行された熊野宏昭『実践!マインドフルネス』を紹介します。

最近は瞑想、特に「マインドフルネス」と名のつく書籍が多くなってきました。

マインドフルネスを冠する書籍には幾つか系統があって、ざっくりとまとめると

 

・医療に取り入れられたセラピーとしてのマインドフルネス

(ジョン・カバット・ジン博士のマインドフルネスストレス低減法を元とするもの。

博士自身は禅やヨーガの実践者であり、その表現には禅の影響が色濃く感じられます

が、セラピーとしてのマインドフルネスは基本的に宗教的な概念を取り去っています)

 

・フランスのプラムヴィレッジで実践されているマインドフルネス

(世界的なベトナム出身の禅僧ティック・ナット・ハン師が東南アジアや南アジアで

実践されているテーラワーダ伝統の方法を、大乗仏教(禅)の立場から解釈し

心身の調和や、安らぎ、幸福感、他者への思いやり(慈悲)を強調した、

祈りの要素がある宗教色の強い方法)

 

テーラワーダの実践法としてのマインドフルネス

テーラワーダ仏教において実践されている修行法を、

パーリ語のサティ(sati)を英訳したマインドフルネス(mindfulness)という

言葉を用いて表現するようになったもの。内容的にはヴィパッサナーと

変わらないが、幾つか流派がある)

 

熊野教授は医師であり臨床心理士でもあるので、当然セラピーとしての

マインドフルネス(マインドフルネスの要素を取り入れたいわゆる第三世代の

心理療法、アクセプタンス&コミットメントセラピー)の専門家なのですが、

著書の中ではマインドフルネスの

実践としてマハーシ式のラベリングを用いた実践法を紹介しています。

用語としてサマタ、ヴィパッサナー、四念処といった言葉を用いていたり、

アーナパーナサティスッタを紹介していたり

セラピーでありながら、かなりテーラワーダ仏教色の強いものとなっています。

(これは禅仏教の影響がと強い思われるカバット・ジン博士ストレス低減法とは

言葉の使い方などでかなり趣が異なるように思います。スマナサーラ長老の名前が

出てきたり、ラリー・ローゼンバーグ師の『呼吸による癒し』を愛読書として

紹介していたり、教授の瞑想法はテーラワーダの実践が基本となっているようです)

 

ただやはり、ACTという認知行動療法の観点から、マインドフルネスやサマタ、

ヴィパッサナーに光を当てているので、まずACT について見て見なくてはなりません。

認知行動療法や心理学に暗いわたしには荷の重い作業ですが、次

回は著書の中で説明されているACTについて紹介してみたいと思っています。